月別アーカイブ: 2014年8月

主題のある人生 - 一隅を照らす生き方とは何か

 人はみな主題を与えられて生きている。そして迷うことなく、自分の主題を生き抜いた人の横顔はすがすがしい。そんな人生を歩いた安岡正篤と吉川英治の交流を描く。またそうした魂が育まれた大和の国の要となっている伊勢神宮にこの国の原型を見る。また倫理法人会の生みの親丸山敏雄がつかんだ「人生のゴールデン・ルール」をつまびらかにし、人生を貫く理(ことわり)を明らかにする。


星降るカミーノ - 魂の旅路

 仏教における最大の巡礼が四国88か所札所巡りだ。それに対し、キリスト教の最大の巡礼は約800キロメートルあるスペインのカミーノだ。カミーノはフランスのサン・ジャン・ピエ・ド・ポーからピレネー山脈を越えてスペインに入り、イベリア半島北端沿いに西に向かい、サンティアゴ・デ・コンポステーラにあるヤコブの墓に詣でる巡礼道だ。ヤコブとはスペインを伝道したといわれるイエスの12弟子である。
 私はこの道を35日かけて歩いた。巡礼は自己との対話であり、自分の内に内在される神との対話だ。カミーノは現在、世界遺産に指定されていることもあって、世界中から、年間20万人を超す巡礼者が歩いている。信仰は今もなお人々の心に生きている。


生き方のヒント - 人は存在するだけで意味がある

 私はつくづく人生は魂磨きのための学校だと思う。人は生まれながらに差別があるように見受けられる。ある人は裕福で両親円満な家庭に生まれ、ある人は学校にもろくに通えない貧乏な家庭に生まれる。しかし、どんな境遇においても、眉間に皺を寄せることなく、余裕をもって楽観的に対処する人は、遂に逆境を乗り越えて、人生に花を咲かせる。
 剣と禅によって悟りを開き、明治天皇の侍従になった山岡鉄舟、「現在相はあくまでも過程相に過ぎない」と丁稚から身を起こして、自動車用品の量販店チェーンをつくり上げた鍵山秀三郎、自分を縛っていた縄をほどいて、人生の逆転大ホームランを打ったある服役者など、私たちの周囲にはすばらしい人々が大勢いる。それらの人々に学ぶ人生の指南書!


夏の一泊旅行

横浜で行っている勉強会「横浜志帥会(よこはま・しすいかい)で、8月、長野県上田市のタボスの丘リゾートに遊びに行きました。高原のさわやかな風にリフレッシュしました。帰りは、近くの「ヴィラデスト・ワイナリー」を訪ね、おいしいフランス料理を満喫しました。

ダボスの丘リゾートホテル(14.8)
ダボスの丘リゾートホテル(14.8)
クリスタル・ハープを奏でる
クリスタル・ハープを奏でる
ヴィラデスト・ワイナリー
ヴィラデスト・ワイナリー

春風を斬る - 小説山岡鉄舟

 剣と禅によって解脱の境地に至った山岡鉄舟の短歌は、執着を離れた人間のすがすがしさを語り尽くして余りある。その山岡鉄舟の盟友西郷隆盛が語った言葉が残っている。
「命も要らぬ、名も要らぬ、官位も金も要らぬ人は、仕末に困るものなり。この仕末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業を成し得られぬなり」(『西郷南洲遺訓』)
 この言葉は西郷が山岡鉄舟を想起して語った言葉で、明治政府が機能するかどうかは明治天皇の人格によると、山岡鉄舟以外に明治天皇の侍従が務まる人はいないと推挙したという。その山岡鉄舟の人生を描いた著者はじめての小説である。


山形市 H・R様からのお便り (2014.8.25)

前略 ごめんください。ご著書『中村天風 人間学』を読了致しました。特に、第2章「試練を超えて」は3回拝読致しました。前書『宇宙の響き 中村天風の世界』『中村天風「幸せを呼び込む」思考』も拝読させていただいていましたが、このたびは非常に感動しながら拝読致しました。

 本文に示された『運命を拓く』や『真理のひびき』他『成功の実現』『盛大な人生』『心に成功の炎を』『いつまでも若々しく生きる』や『真理行修誦句集』『天風誦句集』等もひも解きながら、そして以前詠んだ時の感動を思い起こしながら読み進みました。

 これまで何度も読み返してはいましたが、私は単なる知識の域に留まり、実践とは程遠いものだったと痛感します。ちなみに、私の本棚にある図書で背表紙に「中村天風」の表示があるものを数えてみたら、丁度30冊ありました。そのほかに、天風先生の講演録CDやカセットテープも拝聴しております。また天風会第4代会長・杉山彦一先生の『哲人天風に学ぶ』のカセットテープ12巻は以前から拝聴していました。しかし、前述のごとく単なる知識の領域に過ぎませんでした。

 ところが、第2章を拝読するうちに、天風先生にも最初の頃は同じような状況であったことを改めて知ることができました。

 天風先生がカリアッパ師との出会いから、「水瓶の教え」の初期の段階から「言葉の魔力」「生きる意味」を知り「天の意図」を理解し、心の働きに気づいていく。そしてカリアッパ師の教えの神髄に進み「地の声」「天の声」「内在する宇宙の理法」の悟りの境地に進化する心の変化が非常に良く分かりました。

 これは、私のような平凡な人間であった天風先生の初期の段階を知り、とても心強く感じました。

 神渡先生のご著書で、天風先生の心の進化の状況と、カリアッパ師は厳しい中にも無限の愛情で一杯であったことが実によく解りました。それは、2人の会話の言葉にならない心のひだを推察的に表現されており、深層に潜む感情の葛藤と納得と理解が読者に迫ってきます。私は強い力で引き寄せられながら、第2章を進むことができました。

 また、修行の場所の解説は、何度も調査体験した人でなければ表現できないものすごい臨場感を感じ、自分もその場に同席している体感を持ちます。

 天風先生がついに悟りの境地に達した時、カリアッパ師が大粒の涙を流されましたが、私も思わず瞼が濡れました。そして、あの理屈っぽい天風先生が素直の極限まで変わられ、清々しい人間に変化し、滂沱の涙を流して感謝される姿には神々しささえ感じました。

 帰国のすすめで、いよいよ日本に帰る時の様子はまたまた感動で涙が出ました。ゴルケ村の子供たちが見送る姿を想像すると、本当に優しい天風先生の姿が見えます。

 第3章以降はそれぞれの立場の著名人が天風哲学を人生に遺憾なく発揮されたことが数多くご紹介され、神渡先生の人脈の素晴らしさとインタビューの備蓄の豊富さに感動致しました。

 カリアッパ師が「オラビンダ、お前はこの世に何をしに来たか知っているか」(69ページ ) の言葉が私にも語り掛けられています。とても新鮮な気分です。ありがとうございます。衷心より感謝申し上げます。

 末尾ながら益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

敬具

2014.8.25  山形市 H・R


山口市 T・K様からのお便り (2014.8.25)

拝啓 先生の新刊、一気に読ませていただきました。

 天風先生の生い立ちや破天荒の青春を過ごされたことを初めて知りました。でも考えてみれば、だからこそ、人の痛みや悲しみをよくご存じだったのですね。

 この本で、独りになり、静寂の中に沈潜し、すべてを宇宙霊の意図にお任せすることの大切さを知りました。それに堂園先生がうつ病を克服して医療に復帰し、特別養子縁組に尽力されている話は心を打ちました。患者さんからいただいた手紙「神様からの贈り物」は本当に宝物ですね。私は5月から病を得て、薬を服用していますが、薬以上の活力をいただいた思いです。知人や子供、孫たちに読んでもらいたいと思います。

 天命は神仏しかご存じないと思いますが、私ももう少しこの身体をお借りして、私の為すべき使命を全うさせていただきたいと願っております。いい本を書いてくださってありがとうございました。

敬具

 2014年8月25日
 山口市  T・K