新連載のお知らせ

 

『中村天風「幸せを呼び込む」思考』の表紙
『中村天風「幸せを呼び込む」思考』の表紙

 先日、山口県の田布施町にお住いの読者桑原健輔さんから次のようなお手紙を頂戴しました。それで松山に出張したおり、桑原さんとお会いし、私がお手伝いできることは何かと話し合いました。そして桑原さんが拙著『中村天風「幸せを呼び込む」思考』(講談社新書)の中から抜粋されたものを、2週間に一度、私のHPに掲載したらどうでしょうかと提案しました。桑原さんが了承されたので、掲載することになりました。
 みなさま、どうぞご笑覧ください。そして感想を桑原さんや私に聞かせていただければ幸いです。なにとぞ、よろしくお願いします。

 

 拝啓 秋冷の候、先生にはますますご健勝にてご活躍のこととおよろこび申し上げます。
 突然、手紙を差し上げる失礼をお許しください。小生は81歳の老人です。6年前、肺がんにかかって左肺の上部を切除しましたが、その後経過がよく生きながらえております。
折角肺がんという死亡率の高い病気で救われたのだから、病気や事故などで苦しみ、あるいは再起に不安を感じながら闘病生活を送っている人に対し、少しでも前途に希望や元気を与えることができないか、挑戦しようと思い立ちました。
 小生のできることは、自分や知人の体験などを文章で伝えることですが、小生の能力では相手の心を動かすことはできません。そこで思いついたのは、読者の心をぐっと惹きつけ、感動を与える先生の著書の要約を送ったらどうだろうかということです。先生の本には、ぜひ読んでもらいたい、読めばきっと元気になるだろうと思われる個所が随所にあります。
そこで『中村天風「幸せを呼び込む」思考』(講談社新書)の中から、最も適切だと思われる章をそっくり写し取ることにしました。そして手紙とともに、友人知人に送付したところ、なかなか好評でした。
 しかし、平成26年12月30日、突然、足腰が激痛に襲われ、起き上がることができない状態となってしまいました。そこで手紙作戦を中断し、治療に専念しました。さらに1年後、平成27年12月に、再度足腰の激痛に襲われました。精密検査の結果、尾てい骨にがんが転移していることが発見されました。放射線治療を今年1月下旬まで行い、その後は胴にコルセットを着用し、鎮痛剤を服用して、ようやく動けるようになりました。
 この2年間、がんが再発し、2度の腰痛に苦しみましたが、これは天から与えられた体験研修だという気持ちで受け止め、感謝する余裕ができたことは大きな収穫だったと思っています。
 これまで小生は「自分が幸せになる」ための努力をしてきました。そして「心の持ち方」こそすべてだという気持ちになっています。これを人に話すと、新興宗教かとアレルギーを感じて敬遠されます。それで押しつけがましいとは思いながらも、信頼できる人に先生の著書のコピーを同封して送っていました。
 これでは多くの時間をかけても、限られた人にしかできません。資格も肩書もない小生でもできるスマートなやり方はないものかと思案しています。
 小生に残された月日はそんなにないかも知れませんが、天が小生に勉強させ命を授けて下さったという気持ちで、生命ある限り、最も効果的な方法で頑張ってみたいと思っています。ご多忙な先生に勝手なお願いをして申し訳ございません。よろしくお願い申し上げます。
 これから日に日に寒さが厳しくなります。十分ご自愛願います。
敬具
 平成28年11月6日

桑原健輔 拝

神渡良平様

桑原健輔
メールアドレス iwaki3kyrk@softbank.ne.jp

桑原健輔さん
桑原健輔さん