神奈川県横浜市のY.Kさんより(2019.1.6)

『許されて生きる』読後感

 今年の1冊目は、神渡 良平先生の『許されて生きる』でした。この本で始まるとは……と衝撃を受けました。
 一燈園の創設者西田天香の生涯。無所得無一物に生き、世界平和は先ずは自分から謝罪することだと、その背中で生き方を示された大人物です。
 大きな災害も戦争も果ては些細な誤解ですら自分の歩みの足りなさだと謝罪なさいます。
 他者の魂を拝み、お光によって許されて生きている。いつでも死ねるという覚悟をもって、生涯一托鉢者として生き抜きます。
「人は絹衣を纏い絹の夜具で寝た途端に謙虚さを忘れる……」
 その通りだと思いました。
 また進んで貧乏くじを引く姿勢。運がいいだのラッキーなどとVサインする、自分が大バカ者だと気付きました。
 曹洞宗開祖道元に並ぶ覚醒は聴く人の心を揺さぶり、その闇の中の一燈のような生き方は見ている者の心まで温めたとあります。
 誠の「一隅を照らす」とはこのこと。誠の「利他」とはこういうことかと、一文字一文字が輝いて目に飛び込んで参りました。
 比べるべくもありませんが、自分のための衣服を買い、自分の舌を喜ばせる為に食べ、自分の寝起きの為に家を持つ私のちっぽけさに身の縮む思いです。
 せめてそんな程度の生き方に「恥」を感じよう。
 所有物とは、他者の為に使うことが出来るものをただ自分の為だけに使った単なる証拠品なのだと感じます。
 天香さんは、ヨハネ・パウロ二世を始め世界中の宗教者指導者に愛され、大きなうねりを起こしました。その一つの証でもある宮崎県にあるサンメッセ日南に3月に行けることにもなりました。
 ここには日本の神道、仏教、キリスト教などの教団が協力してつくった「地球感謝の鐘」があります。
 あらゆる宗教の壁を取り、心一つに世界平和を願い、天香さんの生き方の片鱗だけでも見習って、今年も誰かの励みになるような生き方をしたいものだとつくづく思っております。
 宮崎で大海原に向かって立つ巨大なモニュメントを眺め、心を洗って来たいと思います。