日別アーカイブ: 2014年8月22日

【人生の水先案内人】 北海道 K・N様からのお便り (2014.8.22)

(前略)スウェーデンボルグもさることながら、内村鑑三やエックハルトもそうですが、彼らがいなければ私は今頃、髪の毛が全て真っ白になって、精神的には死んでいたかもしれません。今の私があるのは彼らのおかげです。
 内村鑑三はある本の中で、神と出会うことは、人生の中で考えうるかぎりの最大の祝福だと言っていましたが、こういう祝福があることを知らない間は本当に絶望の中にいました。彼らは私の命の恩人です。
 神渡さんも私にとっては、水先案内人です。神渡さんの本はまだ三冊ほどしか読んでいませんが、『「人生二度なし」森信三の世界』は、かなり私のことを助けてくれました。この本は何度も読みましたし、この本を支えに、なんとか日々を乗り越えていた時期もありました。だから神渡さんには本当に感謝していまっす(^.^)それでは 北海道 K・N

中村天風 生きる心得 - 逆境に打ち勝つ23の心の詩

 中村天風が説いた「心の用い方」を見事に用いている人々の例を挙げた。本書では、「私の人生の師は安岡正篤と中村天風だ」と言う稲盛和夫、東洋医学を取り入れ、めざましく医療の実績を上げている矢山利彦、映画「地球交響曲(ガイアシンフォニー)」で人類の最先端のメッセージを映像として届けている龍村仁、平凡なことを非凡にする「掃除の神様」鍵山秀三郎などを採り上げた。


野に在る覚者たち - 人知れず咲く大輪の人生

 人間は功成り名を遂げて有名になり、財を築くと、ややもするとその上にあぐらをかいてしまい、進歩向上しなくなりやすい。安岡正篤はそれを「有名無力、無名有力」と表現し、「無名であってもいい、しかし内容のある人間でありたい」と刻苦勉励した。世の中の健全さはそういう人々によって支えられている。本書では、脳性小児麻痺の日木流奈、内観の開発者の一人柳田鶴声、仏教詩人坂村真民、トルストイの翻訳者北御門二郎、はがき道の坂田道信など、無名であっても有力な人々を採り上げている。


一隅を照らす人生

 私はPHP研究所からDVD『一隅を照らす 安岡正篤と中村天風』を刊行しているが、本書はその単行本である。一度しかない人生を取りこぼすことなく有意義に送ることは、私たちに課せられた課題である。そこで聖賢の叡智に耳を傾け、指針を得て、人生を強化したいものである。
 本書では、中村天風の指導によってスランプから脱したプロ野球選手・広岡達朗、天風先生からひと言「野中の一本杉で行け!」と喝を入れられて、よみがえったデパートの神様・山中鏆元東武百貨店会長のことなどを採り上げている。


安岡正篤にみる指導者の条件 - 人をひきつける“人徳”の養い方

 人々の上に立ち、リーダーシップを発揮しなければならない人に、もっとも必要とされているのは、みんなに尊敬されているかどうかである。統率力はそこから生まれる。人の上に立つ人はもっとも下坐におりる人である。「急がば廻れ」とは今もなお真理である。請求に結果を求めてはならない。コツコツと努力することが必要だ。それらのことを、伏見工高ラグビー部監督の山口良治、寝たきりの詩人・星野富弘、分福と植福を心がける棋士・米長邦夫、明治維新をつくり上げた吉田松陰などに学ぶ。往年のベストセラー。


器量と才覚 - 佐藤一斎『言志四録』から何を学ぶか

 倫理道徳はいかに美しい条文が並べられようと、本当には人の発奮の力にはなり得ない。誰がどう応用して、実人生を変えたかを知って、人は初めて発奮し、克己尽力の努力が始まるものだ。従って本書でも、『言志四録』の各条文の解説を、偉人たちの実人生を語りながら説いた。前書と対で、『言志四録』全4卷1334条をカバーした。


はだしの聖者 - 満州の二宮尊徳といわれた山崎寿の物語

 修養団体一燈園の創始者・西田天香の「下坐におりた生活」を広めようと、満州に渡った山崎寿は、中国人、満人、朝鮮人のいぶかしげな眼差しを乗りこえて、五族協和の新天地をつくり上げていった。自動車用品の量販店イエローハットの創業者・鍵山秀三郎は、「先生の作品を読んでいると、身体が熱くなり、涙がほとばしり出るような場面に逢うことがしばしばです」と推薦の言葉を贈っている。神渡の作品中のベスト1に挙げられる書物である。


いかに人物たり得るか - 佐藤一斎『言志四録』をどう読むか

 「人生は志によって変わる!」と断言したのは江戸幕府の最高の学問機関・昌平坂学問所の儒官・佐藤一斎だ。これほど透徹した眼差しで宇宙と人生について書き表した書物はない。日本が近代国家への産みの苦しみを続けていた幕末、『言志四録』は多くの人々に、人間いかにあるべきかを説き、維新の指針となった。この後編である『器量と才覚』(三笠書房)とともに、ロングセラーとなった。


立命の研究 - 天命を知った男たち

 『論語』に「命を知らざれば、もって君子たることなし」とある。人間にとって使命に目覚め(知命)、その成就のため、寝ても覚めてもという生活をすることはきわめて重要である。本書では安岡正篤を囲んだ関西財界人の勉強会・無以会に集っていた人々を中心に、志を立てることとはどういうことかを描いた。

 安岡の死後、無以会の会員になった平澤興元京都大学総長・医学部名誉教授は「仕事は祈りである」という信念を持っていた。「医者として最善を尽くす。しかし結果がどうなるかは人智を超えたところにある。よい結果が出るように、祈るばかりである」というのだ。

 他に土光敏夫元経団連会長、亀井正夫住友電工会長、中山素平日本興業銀行頭取などを取材した。