桑原健輔さんの抜粋の第1回目です。
中村天風「幸せを呼び込む」思考 神渡 良平著 講談社+α新書
一 「ありがとう」という魔法の言葉
「感謝と歓喜の感情は、宇宙霊に正しい力を呼びかける、最高にして純なる合図ともいえる。
否、それは、我々の運命や、健康や、成功などを建設し、または成就してくれる、造物主の力の流れを、命の中に導き入れる”筧”のようなものである。だからこそ、何事にも感謝せよ、歓喜せよというのである」(『運命を拓く』中村天風著 講談社)
自分を活かす肝腎な知識はゼロ
言葉というもの、もっと言えば、言葉を発する以前の、私たちの頭の中で考えていることが、私たちの人生にどれほど大きな影響を与えているか、私たちはまだそのことに気づいていないようである。中村天風自身が、
「私は『言葉』というものがそんなに重大な影響を持っているものとは少しも知らなかった」と述懐しているように、昔は平気の平左で悪口雑言も使っていたようだ。だからこそ肺結核という疫病神を自ら招いてしまい、生死の境をさまようことになってしまったのだ。
しかし、絶体絶命の状況に追い込まれ、何とか生きようともがいたので、ついにヨーガの導師カリアッパ師に出会い、その許で修行して、言葉の持つ重大な影響に目覚めた。その目覚めのくだりを『運命を拓く』(講談社)に書いているので、それに準拠して述べよう。