『中村天風人間学』について

『宇宙の響き 中村天風の世界』(致知出版社)を上梓してもう18年の歳月が流れました。取材のために2回、出版後読者の求めに応じて4回、計6回、中村天風先生がヨーガの導師(グル)カリアッパ師について修行されたゴルケ村を訪ねました。ついこの間も、1月8日から16日まで19名を案内して訪ねたばかりです。
 ヒマラヤの第3の高峰カンチェンジュンガの麓にあるゴルケ村は、深い谷合にある山村なので、そこからは白き神々の座は望めません。そこで私は一行をいつも、アンナプルナやマチャプチャレ、ダウラギリ、マナスル登山のベースキャンプに近いポカラに案内します。ポカラ飛行場に降り立った瞬間、目の前に8千メートル級の山々が連なっているのを見て、みなさんが感動されるからです。白き神々の座を仰ぎながら瞑想すると、言うに言えない気高さ、深遠さに導かれていきます。そんな時ほど、私は「宇宙の申し子だ!」と確信し、喜びに満たされる時はありません。
 そんな時、私は天風先生について書いた初めての本の書名を、よくぞ『宇宙の響き』としたものだと改めて感心します。天風先生は、人間が大宇宙に感応し、存分にそのエネルギー(プラナ)を取り入れるとき、人間は人間以上の存在になり、持てる力を存分に発揮できると説いておられます。まさにそのとおりで、人間はもっと「宇宙の響き」に呼応すれば、次元の低いこざかしい人間から脱却できると思います。にそのエネルギー(プラナ)を取り入れるとき、人間は人間以上の存在になり、持てる力を存分に発揮できるのだと説かれます。まさにその通りで、人間はもっともっと「宇宙の響き」に呼応すれば、次元の低いこざかしい人間から脱却できるのです。
 天風師の悟りの深さは、私などには計りようがないほどに深いものです。でも天風先生亡き今となっては、類推するしかありません。天風先生のメッセージを書こうとすると、自分の力量のなさが身に染みて感じられ、無力感に襲われます。しかし、天風師のメッセージを伝えることができたら、私たちの求道の明確な目標となると自分に言い聞かせて、折に触れて天風師のことを書いてきました。
 今回再び『中村天風人間学』(PHP研究所)を書きました。これは天風師が瞑想によって宇宙に感応し、つかんだ悟りを書き表したものです。及ばずながら、こういう形で天風師のメッセージを伝えることができて、こんなに幸せなことはありません。

『中村天風人間学』カバー写真(帯なし)
『中村天風人間学』カバー写真(帯なし)
サランコットの朝焼け
サランコットの朝焼け
大空を舞う鷲
大空を舞う鷲
マチャプチャレ
マチャプチャレ
白き神々の座
白き神々の座
アンナプルナを背景に
アンナプルナを背景に
頭上に広がる満天の星
頭上に広がる満天の星
ポカラから眺めたアンナプルナ
ポカラから眺めたアンナプルナ
天風師が瞑想していた岩の上で
天風師が瞑想していた岩の上で
人間は大宇宙の申し子だ
人間は大宇宙の申し子だ

 

 


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