宮崎県宮崎市 S.A様からのお便り (2014.11.13)

 前略 ごめんください。先日は宮崎県日向の地にての講演、本当にありがとうございました。11月9日朝の日向市倫理法人会での講演「人は何によって輝くのか」、同じ日の午後、養心の会日向での講演「内なる声を聴く」のどちらにも参加しました。先生の語られた珠玉の言葉を反芻しながら、すばらしい空間の余韻に浸っております。
 私は高校時代、三島由紀夫氏の「武士道と軍国主義」という評論を読み、大きな感動を覚えました。そういう下地があったのか、大学時代は民族派の学生運動に参加しました。国体の問題、歴史認識の問題、天皇陛下に関することなどの学びを進めるにつれ、現実の社会や政治の在り方に疑問を感じ、何とか変革したいと、さまざまに模索し、行動しました。韓国や中国大使館に抗議に行き、警察や機動隊とぶつかったことも多々ありました。
 またある新興宗教に入りましたが、個人の救済だけ汲々としている現状に飽き足らなく、それでいいのかと激しく詰問し、批判した時期もありました。そんな折、私の心の眼を開いてくれたのが、鹿児島県知覧(ちらん)の特攻隊の方々の遺書であり、辞世の句でした。まだ富屋食堂のトメさんが生きておられた頃のことで、訪ねて宿に泊めていただき、夜遅くまでお話を伺ったこともあります。彼らの純真無垢の心は、単に当時の社会情勢や教育という言葉で結論付けられるような、そんな浅薄なものではないと痛感しました。自分の志が萎える時は決まって知覧に足が向いていました。
 今回、先生が緒方海軍中尉の遺詠や短歌を詠まれたとき、涙がとめどもなく流れ出ました。
   いざさらばわれは御国の山桜
        母の身許に帰り咲かなむ
 靖国神社の桜は彼らの帰る場所であり、母たちが息子たちと出会う処でもあります。なのにそこが政争の場となっていることに対して、とても悲しみを感じます。特攻隊の方々の生き方と共に、私の人生に大きな影響を与えていただいたのが、先生の50冊以上にも及ぶ著書です。以前、何かの本に、「人生で二度読み返す本を持つ人は幸福な人である」と書かれていました。そういう意味では、私は至福の人だと言えるかもしれません。
 先生の著書は折に触れ、何度も何度も読み返しています。そうすることで、自己の志を日々再確認し、一隅を照らすべく、足許の実践に取り組む力を与えられています。まさに恩書というべきものです。今回の講演の演題でもあった「内なる声に耳を澄ます」ことが、紆余曲折の多い人生を経て、私にもようやく少しずつできるようになったのも、先生のご著書と先生にお会いできたお蔭だと思っています。
 脈絡のない手紙となりました。一言お礼を申し上げたいと思いながら、ついつい長くなったことを心よりお詫び申し上げます。
 先生のますますのご活躍を祈念いたします。
 平成26年11月10日

S.A 九拝


三重県  F・Y様からのお便り (2014.10.15)

 ありがとうございました!本日、『中村天風 人間学』を読了致しました。仕事の事で毎日思い悩む中、改めて「積極的に感謝と歓喜で!」と思い直す事が出来ました。沢山の方々が天風先生の言葉に勇気付けられ、思い直し、逞しく生きておられる。自分も・・・。
 私は今まで、神渡先生の著書(特に中村天風に関するものは)を読ませていただいて、頭では解ったつもりでも、まだまだ心のどこかで疑いや迷いがあるのだと思います。魂で『宇宙との繋がり』『生かされているという実感』を感じてみたいと思っています。
 丁度、今度の土日(10月18、19日)伊勢の夫婦岩のある二見興玉神社での禊行に参加する予定です。
 何かを得る事が出来ればと申し込んでいたところに、先生の『中村天風 人間学』を読むことが出来て、自分にとってより意味のあるものになりそうな予感がしています。
 まだまだ勉強不足で未熟な私です。どうぞこれからも、私のような者に生きる勇気を与え続けて下さい。
ありがとうございます。
 三重県 F・Y


岡山 Y・A様からのお便り (2014.9.1)

前略 突然不しつけなお便りを致して、申し訳ございません。

 私は数年前、安岡先生のことが知りたくて、書籍を購入しましたが、難解でそのままになっておりました。

 昨年、いつも行く書店に参りますと、神渡先生の『安岡正篤人間学』がとても目立つところに置いてあり、まるで私を待っていてくれているようでした。早速、購入し引き込まれて、とうとう読み終えました。あまりにも感動し、私だけではもったいないと思い、弟や友人にも読んでもらおうと、数冊購入しました。

 私は若い頃は、科学で証明されないような事柄は信じないほうでしたが、最愛の母を失ったことなどを転機に、あの世だとか、見えない世界を知りたいと思うようになりました。時期を同じくして、この世には大きな力があり、護ってくださっていることを教えてくださる方に出会えました。

 そういう中で少しずつ解りかけたものの、なかなか真から体得できないでおりました。自分を変えようともがけばもがくほど、底知れない不安にかられたりもするのです。

 それでも、素晴らしい生き方をされているお二人の人に支えられて、達成できないままですが、何とか精神的に生きてこられたように思えます。

 月日とともにお二人とも亡くなられてしまいますと、私は何をしにこの世に生かされ、またどうしたら胸をはってあの世に還ってゆけるのだろうかと、迷いの連続でした。

 そうした中で先生の本に出合い、一条の光をいただいたように思えました。私の求めていた答えが端的に、しかも解りやすく教えていただけて、本当に嬉しくてたまりませんでした。

 その後も先生の著書を拝読させていただいております。中村天風先生の生き方にも大変感動いたしました。今まで神渡先生が大変な時間をかけられて勉強されたこと、調べられたこと等を惜しげもなく私たちにわかりやすく教えていただけることを、心より感謝申し上げます。今まで知らなかった世界、この世で真の幸せを追求している人が何と多いのでしょうと、驚きでいっぱいです。

 私は岡山で小さな会社の経営者の一員として働いておりますが、なかなか自分を律しきれず理想と現実のギャップの中で、こんなとき導師がいてくださったらと思います。

 こういう地方にも志を一にするような会ですとか、先生の講演をお聴きできる機会がありますでしょうか。もし教えていただければありがたく存じます。

2014.9.1  岡山 Y・A

草々