千葉市の講演会のご案内

平成27年11月14日(土)、千葉市千葉商工会議所にて、講演会が開催されます。
お近くの方など、ぜひお越しください。

詳細は以下の通りです。

<日時> 平成27年11月14日(土)14:00~15:30(13:30 開場)
<場所> 千葉商工会議所・第一ホール
千葉市中央区中央2-5-1 千葉中央ツインビル2号館  ?:043-227-4101
<交通> JR千葉駅より 徒歩10分、京成千葉中央駅より 徒歩8分、
<演題> 「思考が人生を創る」
<講師> 神渡 良平
定 員:200名(事前申込・先着順) 料金:500円
主催:天風会・千葉賛助会   Eメール:motokim123@gmail.com
申込・問合先:043-279-8971 携帯 090-6168-2666 (元木 /もとき)

以下チラシのPDFファイルです。ダウンロードされる方は、下記のテキストもしくは図をクリックしてください。

「講演会チラシ」
神渡先生講演会チラシ(訂正版)


D・K先生のお手紙

 8月10日、鳥取県道徳教育研究大会に呼ばれ、「下坐に生きる」と題して講演しました。140数名の小中学校の先生方が夏休みを押して駆けつけ、熱心に聴いてくださいました。その折、鳥取空港まで出迎えてくださり、車中いろいろ話をしたD・K先生がお手紙をくださいました。それを披露します。
 
 残暑お見舞い申し上げます。ご丁寧に残暑見舞いのお手紙をいただき、ありがとうございました。神渡先生からお手紙をいただけるとは思ってもいなかったので、感激しました。
 先日の道徳研究大会では貴重な講演を聴かせていただき、発奮しました。講演はもちろんですが、私にとっては車中の1時間も最大の学習の場でした。私が読書を始めるきっかけになった本の著者である神渡先生と出会え、話ができたことは、私の人生の中での大きな出来事でした。 
 もうすぐ夏休みが明け、子どもたちと学問に励むことができます。私が神渡先生に会って発奮したように、子どもたちの可能性のスイッチを押してやれる教師でありたいと思っています。今後も神渡先生の本から学ばせていただき、それを子どもたちに伝えたいと思います。
 車中、少し話しましたが、私の学級での教育活動のまとめをお送りします。昨年の研究大会で発表したものです。ご笑覧いただければ幸いです。心からの感謝を込めて。
 平成27年8月18日
 
 K先生の詳しいレポートを拝見し、毎朝論語を素読し、すくすく成長している子どもたちの様子が手に取るようにわかりました。ここにも地涌の菩薩様がいらっしゃいました。

辻光文さんのこと

『苦しみとの向き合い方 言志四録の人間学』に書いた辻光文さんのことが随分話題になっているようです。光文さんは車いすの生活になってしまわれましたが、高槻市に元気にお住まいになっています。辻光文さんを知って取材し、心を打たれたのは、光文さんが子どもたちの魂に手を合わせて祈るようになられたことでした。すると荒れていた子どもたちが穏やかになり、落ち着いてきたのです。そこで光文さんは気づきました。子どもたちにレッテルを貼って、みほとけの慈悲が届いていたのを遮っていたのは自分だったと! 以来、光文さんは人を教育しようとか、しつけようとかしなくなりました。それぞれの持ち味が存分に伸びるよう、後押しをされました。それで光文さんの学寮はおだやかな学寮として知られるようになりました。光文さんが阿武山学園をやめられて、高槻市にお住まいになると、子どもたちは折につけて「結婚しました」「子どもが生まれました」とお宅を訪ねてくるようになりました。光文さんは自宅を「えにし庵」と名付けて誰もが訪ねてこれるようにされました。「いのちは一つつながりでした。自分と他人を分けていたのは、私がまだまだ本当のいのちの実相に気づいていなかったからでした」とおっしゃる光文さんに私は「地涌の菩薩」を見た思いがしました。


読者からのメール 2015.7.30

人々の道案内の役目を果たしたいと思って筆を執っていたら、いつの間にか67歳になっていました。あと何年筆を執れるかわかりませんが、私のモットーとして受け継いだ芹沢光次良(こうじろう)先生の言葉「文学はもの言わぬ神に文字を与えることである」を肝に銘じ、頑張りたいと思います。
 先日も読者から身につまされるメールをいただきました。こんな真剣な生き方をされている方がいらっしゃるんですね。彼女と2人のお子さんの上に祝福があるよう祈っています。
(以前にご紹介したお母様です。)

以下、今回のメールです。

 神渡先生、こんばんは。『苦しみとの向き合い方 言志四録の人間学』に載った辻光文先生についての文章を読ませて頂きました。ただただ、涙が流れました……。人の為に、ここまでできる方がいらっしゃるということに驚き、感謝の気持ちでいっぱいになりました。光文先生の「生きているだけでいけませんか」の詩に、重度の障害を持つ次女を重ね、涙が止まりませんでした。健常者の長女を産み育てていた時は、少しでも人の役に立つ子に成って欲しいと願い、月刊「致知」の教育についてのページをいつも楽しみに、そして真剣に読んでいました。長女に対する期待と、そして親となった自分のさらなる成長を願って、精一杯頑張っていました。

でも、次女の障害がわかると、「少しでも人のお役に立ちたい」という私の価値観が揺らぎ始め、次女を否定しました。この子は生きていて何の価値があるのだろうか?

人の役に立つどころか、一生人のお世話になって生きて行かなければいけない子……。そんな子を育てることに価値があるのだろうか? 産まなきゃよかった……。この子さえいなければ……私は幸せだった……などと、思い悩みました。以前頑張っていた分だけ、次女を否定してしまったのです。次女を育てることについて、価値が全く見いだせませんでした。

以前の私は幸せの日々の中での、しょせんきれいごとにしか過ぎなかった……と滑稽にすら思えました。

先生は、私がどんなことを思い、何を求めていたかがお分かりになるのでしょうか?

私は光文先生の「生きているだけではいけませんか」の詩に合いたかったのだと思いました。詩の中で光文先生が問いかけておられたように、私は人の役に立っているという思いの中に、いつしか傲慢な思いがひそんでいたのです。生きていて人に迷惑をかけない人っていやしないのに、そのことを忘れていました。

第一子に健常児で健康な子どもを授かったことを、ごく当たり前のことだと思い、感謝していませんでした。でも光文先生に「生きていて、人に迷惑をかけない人ってありますか?」と問われてハッとしました。そのことに気づかせていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。

 これからは、もっともっと次女のいのちの輝きを見ていきます。

生きていることは素敵なことなのですね。それだけでいいのですね。

今は眠っている二人の娘にたくさん感謝したいと思います。先生、ありがとうございました。明日もニコニコ笑顔で過ごして行きたいと思います。おやすみなさい。

(2015.7.30 )


障害児を持ったある母親からのメール 2015.7.3

新刊案内をいろいろな方に送ったら、こんなメールが届きました。この方とメールをやり取りしていた頃を思い出して、思わず目がウルウルしました。紹介させていただきます。

「新刊発売のご案内、ありがとうございました。私のことを覚えてくださっていて本当に感謝します。ところで障害を持って生まれた下の子は、もう1歳9か月になりました。障害がわかってから、1年と半年が過ぎたことになります。

この1年半はやはり辛く、とても苦しいものでした。申し訳ないことながら、わが子をかわいいと思えず、そんな自分を責め、周りの同じくらいの子どもを見ると、うらやましくて胸が張り裂けそうでした。毎日毎日泣き、泣かない日はいつになったら来るのだろうと、真っ暗なトンネルの中にいるようでした。人生でこんなに涙を流し、自分と向き合ったことはありませんでした。

そしてだんだん卑屈になっていく自分がいました……。そうは絶対なりたくないとがんばっていたのに……。自分を責めている自分にはっと気づき、そんな自分がまた嫌になるという悪循環でした。

そんな頃、考えあぐねた末に、神渡先生にメールしました。思いもよらず、親切に応対していただき、やり取りが往復するようになりました。そしてだんだん思い直すようになりました。ひょっとすると、世の中は嫌な人ばかりではなく、障害を持つ子を差別する人ばかりではないかもしれない……。一番苦しかったときを本当に支えていただいて、ありがとうございました。

あれからいろいろな方々との出会いがありました。同じ障害を持つ子どもの母親たちです。障害を抱えた子どもを産まなければ出会わない方々でした。

私も同じ思いをしましたと親身に相談に乗ってくださったり、今の辛さをを笑いに変えられる日がきっと来ますと励ましてくださったり……。同じ苦しみを経験されている方々でしたから、そんな方々が乗り越えた末に語って下さる話は、涙なしには聞けませんでした。いろいろな方々に支えられて今の自分があると実感します。ようやくあの頃をおだやかな気持ちでふり返ることができるようになりました。

まだまだ、下の子を育てることにへこたれそうになる日もありますが、人と人がつながることのすばらしさを以前より感じられるようになりました。先生がおっしゃっていたように、人間はそんなに弱くないのかもしれないですね。最近その言葉が私を奮い立たせてくれています。

今も気にかけてくださり、出版のご案内をいただき、何とお礼をいっていいかわかりません。ぜひ読んでみます。勝手ながら、また挫けそうなときは連絡させてください」

そんなメールに私はこう返事しました。

「今度の本は『苦しみとの向き合い方』がテーマです。苦しみの克服の仕方でもなく、幸せの呼び込み方でもなく、苦しみとの向き合い方です。苦しみから逃げないで、正面から向き合ったとき、それが私たちを別の次元へと導いてくれるのです。状況は以前とまったく変わっていないのに、喜々として取り組んでいる自分がいるのです。

この本で紹介している大谷育子さんは、白血病で生死の境をさまよって奇跡的に生還し方です。大谷さんはその苦渋をバネにして、日本に骨髄バンクを立ち上げるに至りました。また、岡部明美さんは出産と同時に脳腫瘍が発見され、生死の境をさまよいました。回復した後、闘病中に目覚めたことが多くの人々を励ますようになりました。現在ではセミナーを開いて人々を大切な目覚めに導いておられます。この方々の経験はあなたへの応援歌かもしれませんね。きっと励まされますよ」

彼女に返事を書きながら、私は今度の本は彼女へのエールだったのかもしれないと思っていました。