さだまさしさんの名曲「風に立つライオン」と小説『風に立つライオン』のモデルで、若い頃アフリカにおける熱帯医療に従事し、今は宮崎市に住んでいらっしゃる柴田紘一郎医師から手紙を頂きました。
拝啓 春浪漫、桜も満開の候になり、花の動静に悲喜こもごもを感じるこの頃です。
世の中にたえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし 在原業平
神渡様には相変わらず、人生の持つ意味や生業について、沈思黙考の日々をお過ごしのことと存じます。さて、この度は神渡様の新刊『アメイジング・グレイス 魂の夜明け』をご恵贈いただき、誠にありがとうございました。著者のサイン入りのご本を頂き、とても至福に思っております。
実は私は本作品に関心がとても高く、出版を一日千秋の思いで待っておりました。そこでAmazonで購買を予約して入手し、早速拝読していました。そしてイギリスや西アフリカ、アメリカに取材に行くなど、先生の豊富な取材にただただ圧倒されました。
名曲「アメイジング・グレイス」の作詞者で、主人公のジョン・ニュートンが感じ、突き動かされていた「大いなる存在」=神のことを――ぼくはSomething Great と意訳していますが――その大いなる何かにとても感激しました。
そんなこともあって、今春医学部に入学してくる学生たちに、本図書を推薦図書にさせていただきました。神渡先生が帯に書いておられる「人生に起きる出来事に、意味のないものはない」を、ぼくもまったく同感しており、改めて心に深く刻み込まれました。いまから事ある度に、この言葉を引用させていただきたいと考えております。
先週さだまさしさんと当地宮崎で会った折、本作品に対する私の思いを述べました。宮崎に来られる時はまた会食しましょう。再会できることを楽しみしております。
取り急ぎ御礼にて失礼いたします。
敬具
2016年3月31日
柴田紘一郎
神渡良平様