宮崎県日向市 M.Sさんからのお便り(2016.4.18)

『アメイジング・グレイス 魂の夜明け』を読んだ感想を送ります。

荒ぶれた時代があったジョン・ニュートンですが、根底には司祭にふさわしい神の御心があった方だと思いました。それは子供の頃、お母様と過ごす日々の描写の中で感じました。

読み終えて本を閉じ、静かに私自身の過ぎしこのかたを振り返ってみると、その時々思い悩み、悶々としたことも、過ぎてみれば、舵を離さずにきたことで今があることに気付きます。人はそれぞれに、その時々自分に降りかかってくる悩みや苦しみに「何故?!」と懊悩するものです。それをいかに乗り越えるか、舵をどう切るか、なのでしょうね。

肌の色が違うということで動物、否、それ以下に扱われた黒人たちを、ジョン・ニュートンが自らの罪として償うために28年もかかって諦めずに訴え続け、奴隷貿易廃止法を制定したことをこの本で知りました。今の政治家で信念に突き進み行動されている方がどれだけいらっしゃるでしょうか。

この地球というひとつの星で、争いが絶えまないことを私たちは悲しんでいますが、神もまた嘆いておられると思います。

「アメイジング・グレイス」はもともと讃美歌で、ジョン・ニュートン司祭が歌詞を書いたことは、前に神渡先生のお話で知りました。ジョン・ニュートンが嵐で遭難しかかったとき聴こえてきた「アヴェ・マリア」はジョンのお母様の声ではなかったのかと思いました。

私は、アヴエ・マリア=聖母=母と思っています。「アヴェ・マリア」を聴いていると、母に抱き締められているような気がして涙が出ます。また「アメイジング・グレイス」を聴いていると、許しを乞うような、そして、許しを受けているような気がして、心が穏やかに優しくなり、またまた涙がこぼれます。

この本を通して先生が伝えたかったのは何なのだろうかと考えました。それは、心からすべてのものを愛するということでしょうか。本の帯にも書かれているように、「人生に起こるできことを受け入れて」自分の心の糧とすることなのではないかと思いました。

5年前、夫が重い病気にかかっていることが判明したとき、神渡先生から、「動揺することなく、強い心で受け入れましょう」というお手紙を頂きました。そのお手紙は深く私の心に刻まれています。お蔭様でだいぶん強くなりました(笑)。

 還暦を過ぎてもまだまだ人としての自覚も覚悟も足りません。自分の足元に気を配って見つめながら勉強重ねてまいります。素晴らしいご本を本当にありがとうございました。6年に及ぶ取材、本当に本当にご苦労様でした。また便りいたします。7月2日、日向市での講演会でお会いできることを楽しみにしております。

 

追伸 早くに書き終えていたのですが、送信が遅くなってしまいました。内容もあちこちに飛んだりして、とりとめのない文章になってしまいました。こちらは地震の揺れが度々襲ってきます。早く鎮まることを祈る毎日です。先生もお気をつけてお過ごしくださいますように。