『春風を斬る - 小説山岡鉄舟』

春風を斬る - 小説山岡鉄舟表紙
PHP研究所  税別2100円  2000/09/11発行
晴れてよし曇りてよし富士の山 元の姿は変わらざりけり
 剣と禅によって解脱の境地に至った山岡鉄舟の短歌は、執着を離れた人間のすがすがしさを語り尽くして余りある。その山岡鉄舟の盟友西郷隆盛が語った言葉が残っている。
「命も要らぬ、名も要らぬ、官位も金も要らぬ人は、仕末に困るものなり。この仕末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業を成し得られぬなり」(『西郷南洲遺訓』)
 この言葉は西郷が山岡鉄舟を想起して語った言葉で、明治政府が機能するかどうかは明治天皇の人格によると、山岡鉄舟以外に明治天皇の侍従が務まる人はいないと推挙したという。その山岡鉄舟の人生を描いた著者はじめての小説である。

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